2012年12月17日 11:41
人が持つ「目玉の表面レンズ」は、透き通っている必要性から血管がない。これは「レンズが自ら呼吸している」ことを意味する。酸素は血流に乗って細胞に運ばれるから、血管のない組織は自ら呼吸するしかない。
「目の表面のレンズ」が呼吸するために必要な酸素の量は、寝ているときには起きているときの3分の1に減少する。瞼(まぶた)でフタをするからだ。レンズをつけるとフタになるから、できるだけフタが小さい方がいい。一般に「ハードコンタクトレンズの方が酸素の透過性が高い」といえるが、正確には「ハードコンタクトレンズの方が酸素の供給面で有利」と言える。小さいから酸素が供給されやすい。
「透過性」はフタが「どのくらい酸素を通すか」という性能のことだ。ハードコンタクトレンズは、これ以上分類できないが、ソフトコンタクトレンズには素材からの分類上「合成樹脂」と「シリコン」がある。「合成樹脂」というフタは、ほとんど酸素を通さないが、「シリコン」のフタはかなり酸素を通すという違いがある。シリコンは、市場においては「新素材」だ。
合成樹脂は、酸素をほとんど通さないのだが「水」を含むと酸素の透過性が上がる。水に酸素を通す性質があるからだ。水分量の多いレンズの方が、酸素透過性は高い。レンズに含まれる水分の割合を含水率というが、含水率が50%未満を「低含水」、50%以上を「高含水」という分類をする。合成樹脂の酸素透過性は、含水率で判断できる。だから、「酸素の供給」に視点をおくと、有利なほうからハード、シリコンソフト、高含水ソフト、低含水ソフトとなる。
ちなみに、シリコンレンズの含水率は高くなると酸素の透過性が落ちる。これは酸素を通す性能が水よりシリコンの方がいいからだ。性能のいいものに性能の悪いものを混ぜるのだから性能は低下する。シリコンレンズの透過性も含水率の数字で判断が可能だ。カラコン|カラコン通販☆ランキング!ベスト3
ハードコンタクトレンズが目にいいと言われる理由は、「目が呼吸しやすい」からだが、デメリットもある。瞬きをするたびにレンズが上下に移動するので、使い始めは目の中でゴロゴロして使いにくい。ただ移動することが重要で、移動を繰り返すことで、涙の循環を向上させ、呼吸しやすい状態を維持することができる。
ソフトコンタクトレンズは、数ミリしか動きがない。生きている細胞は酸素が必要だ。そういう意味では「ハードコンタクトレンズ」は目にいい。
では、ソフトコンタクトレンズは目によくないのか。ソフトコンタクトレンズには「使い方」からの分類方法がある。大まかではあるが「常用」「従来型」「コンベンショナル」などと呼ばれる「使い捨てでない」レンズと、「使い捨て」レンズがある。
使い捨てレンズには、「マンスリー」と呼ばれる1ヶ月で使い捨てるタイプ、「ツーウィーク」と呼ばれる2週間で使い捨てるタイプ、それから毎日新しく交換する「ワンデー」タイプとある。毎日使うという前提だが、マンスリーとツーウィークは毎日の手入れ、いわゆる洗浄・消毒などが必要だ。
コスト面ではワンダーが高い。しかし、ハード、常用ソフト、その他の使い捨てを「目の障害の発生率」というリスク面から比較するとワンデーがもっとも少ない。つまり、見方を変えると「ワンデーは目にいい」ということになる。これは、はずしたレンズを使い続ける他のレンズとは違う使い方だからだ。汚れがついたもの、細菌がつたものを再装用しないから目にいい。コンタクト カラコン|カラコン通販☆ランキング!ベスト3
レンズの内面は目に直接触れる側であるが、中心から光学領域(オプティカルゾーン)という光を集めるためのゾーンがある。そこから周辺に向けてブレンド(第1周辺カーブ、第2周辺カーブ)、べベルというゾーンに変化する。
べベルの役目は「涙が入りやすくするよう」「装用感を良くするよう」に設けられている。光学領域とべベルの間にあるブレンドは「つなぎ目」の役割がある。それぞれが違うカーブをしている。全てのレンズがそのような設計になっている。
これはなぜかというと「目の形は周辺にいくほど緩やかになっている」からだ。だから、光学領域からブレンド、ブレンドからべベルへ「緩やかにカーブが変化」しているのだ。 益若つばさ|カラコン通販☆ランキング!ベスト3
ハードレンズにも「やわらか」をうたっているものがあるが、限度はある。やわらかい方がつけ心地が良いとも限らない。やわらかさを求めるなら、これらを試されとよいだろう。
ソフトレンズには2つの側面からやわかさを探求する方法がある。まずは水分が多いか少ないか。水分量が多い方が、レンズはやわらかくなる。もともと素材が硬いからだ。 これは合成樹脂もシリコンも同じだ。
もう一つはイオン性かどうか。合成樹脂にはイオン性の素材と非イオン性の素材がある。一般的にイオン性レンズはやわらかく、非イオン性レンズは硬いとされる。
ソフトレンズはグループ分けされていて、「水分量の高低」と「イオン性の有無」により4つのタイプがある。非イオン性で水分量が少ないレンズが最も硬いと考えられるタイプだ。そしてイオン性で水分量の多いレンズが最もやわらかいと考えられるタイプだ。
やわらかいレンズを選ぶポイントは、できるだけイオン性で、できるだけ薄いレンズだ。カラコン通販 比較
素材にケイ素の化合物を使っているレンズは汚れをひきつけやすい性質がある。とくに油性の汚れと仲がいい。だから、ハードレンズとシリコンレンズの人は「曇る」という症状を訴えることがある。この解決方法として、表面に親水性のコーディングを施したレンズもある。
簡単に言えば、レンズ表面の「油っぽい性質」を「水っぽい性質」に変えてあるのだ。油性の汚れは「油っぽい」ものと仲がいいが、「水っぽい」ものとは仲がわるい。だから、汚れを遠ざけてくれる。
もっともこのようなコーティングレンズでも「曇る」という人はいる。こうなるとシリコン系ではないレンズに換えるしかない。ハードレンズではお手上げだ。カーブを変えればいいという問題でもない。
カーブを変えて改善される場合も中にはあるが、通常カーブを変えるときには使い方や手入れ方法などを変えるように指導するから、カーブ変更による改善とは限らない。
「曇り」を訴えるのはとくに女性に多いから、原因が化粧品である可能性が非常に高いのだ。シリコン系のレンズが使えないとなると合成樹脂、つまりソフトレンズしかない。
合成樹脂にはイオン性と非イオン性がある。イオン性はやわらかいが、実は汚れに弱いのだ。汚れは通常プラスの要素を持っていて、イオン性のレンズはマイナスの要素を持っている。
非イオン性はプラスもマイナスもないので、プラスの要素を持つ汚れをひきつけにくい。
ハードとソフトを比較した場合、ハードレンズは水分の含有量がゼロのため、涙が吸収されるといった心配はない。一方でソフトレンズは、水分を含有しているため、涙が吸収されることが懸念される。
だから、ハードレンズの方が、目に乾きには有利と言える。ハードレンズの中でもコーティングされたレンズは、レンズの表面を「水っぽい」性格にしてあるので、レンズの表面から涙が逃げていきにくいことも考えられる。
涙を吸収するソフトレンズであるが、その水分量が多いものほどレンズが乾きやすいといわれる。それは、水分を吸収するスペースが広いから、涙を吸収する量も多いだろうと思われているからだ。
だが実際には、水分量の多いレンズの方が目の乾きを感じないという人もいる。つまり、「レンズが涙を吸収しやすい」からといって「乾燥感」には直結していないといえる。
ほとんどのケースにおいて「乾燥」は「水分量」で語られるが、水分量とは別の角度から「乾き」を考えることもできる。
イオン性のレンズは生体適合性がよいと考えられていることだ。その説明は涙の構造に関係する。
涙は空気に接触する側から、油の層、水の層、タンパク質の層とある。油は水を蒸発させないために、タンパク質は目から涙が落ちないように目の表面全体に広がっている。水は表面張力によって丸くなろうとするが、そうなると目から涙が落ちてしまう。
そうならないためにタンパク質が広がって、水が丸くならないようにしている。そして、イオン性のレンズはレンズの表面がタンパク質とくっつくような電気的性質があるので、涙がレンズの上に均等に広がりやすくなる。だから生体適合性がよいという理由だ。
これは裏を返せば非イオン性のレンズは、電気的性質がないのでプラスのタンパク質が広がらないため、涙も均等に広がらないということだ。だからレンズ表面の水分が蒸発しやすいのではないか?ということも考えられる。
ソフトレンズは多かれ少なかれ涙を吸収することを覚えておこう。
ソフトレンズは「使い方」によって分類ができる。ワンデーは決して質がわるいわけではない。 「使い方が違う」という本当の意味は「認可の取り方が違う」ということだ。
メーカーによってワンデーとツーウィークで全く同じ素材、同じ含水率でできているものもある。デザインが違うだけだ。別にワンデーの方が、質がわるいのではなく、デザインを変えてワンデーとして認可を取ったレンズとツーウィークで認可をとったものがあるというだけの話だ。
だから、ワンデーがその日にうちに「直ちに使えなくなる」というわけではなく、「1回使ったら捨てましょう。翌日はまたきれいな状態のレンズを使いましょう」という意味なのだ。
そしてツーウィークレンズも同様に、2週間使ったら「直ちに使えなくなる」わけではなく、「2週間手入れをしながら使いましょう。3週間目からはまた新しいレンズを使いましょう」という意味でしかない。
一般的な話であるが、ハードレンズは2年から3年が寿命だとされる。だが、あまり根拠がないから半年から1年くらいで交換することをおすすめする。
買ったばかりのレンズと2年たったレンズが同じ状態とはだれも思わないだろう。普通、少しくらいは汚れも傷もある。汚れがあるということは酸素の透過性も落ちているのだ。汚れにさらされ続けるとアレルギーにだってなりかねない。
アレルギー性結膜炎という症状があるが、アレルギーはある日突然はじまる。誰にいつ起こるかわからない。
だから、使っていて目の調子がわるくなく、レンズの見た目に問題なければ、2年から3年使ってもよいだろうというレベルだ。できれば、1年保証のついたレンズを買っておくことをおすすめする。半年から1年の間で交換してもらうといい。
常用のソフトレンズはその寿命が1年から1年半と言われているが、交換時期の基本的な考え方は同じだ。
使い捨ては「いついつには捨てる」という契約がはっきりしているからいい。使い捨てでないものに関しては、レンズか目の状態が明らかにわるいと判断されるまで、使い続けることになってしまう。
その時期がハードレンズなら2年から3年、ソフトレンズなら1年から1年半なのだ。ぎりぎりまで使うことはあまり好ましいことではない。
1日16時間、毎日ソフトレンズを使っているとしよう。1日のうち残りの8時間は毎日睡眠にあてたとする。目にとって本当によいだろうか。
一般的には16時間は「長すぎる」と言われている。一説には10時間以内が理想と言われている。
糸井医師の著書によると、「ソフトレンズで10~12時間以内、週5~6回の装用、ハードレンズで12~14時間の装用が目安で、6時間以内を目安にした方がいいレンズもある」と書かれている。
本当に重要な点は「装用時間」ではなく「目を休める時間」なのではないのか。仮に16時間つけってぱなしで、睡眠8時間とする。実は目を休ませていると思っている睡眠時間は、涙が少なく、また低酸素状態になっている。起きているときの3分の1程度まで酸素濃度が低下する。
ソフトレンズをつけることでも、3分の1前後は酸素濃度が低下するから、24時間ソフトレンズをつけっぱなしで起きているようなものだ。
睡眠時間を長くとることがよいのではなく、「できるだけ起きている間にレンズをはずして正常な環境においてあげることがよい」のだ。つまる「装用時間」ではなく「休憩時間」を考えることこそ重要であるとうことになる。
レンズの分類上「つけっぱなしで寝てもいい」というレンズも存在する。これはワンデーやツーウィークのように、さらには常用レンズのように「終日装用」という使い方に対応した用語だ。
「終日装用」は「寝る前に外す」という使い方だが、「外さない」使い方を「連続装用」と呼ぶ。
連続装用は通常1週間外さないで過ごせる。そして1週間後に外して眠って、起きたら新しいレンズをつけて1週間過ごすということを繰り返す。
これは特殊な使い方で、適合するかどうか、何度か定期的に診察を受ける必要がある。「連続装用」を許可された人以外はつけたまま寝てはいけない。
なぜつけたまま眠ってはいけないかというと酸素不足になるからだ。目が乾くとレンズも汚れるし、目の乾きと角膜のむくみで目が傷つきやすくなる。
万が一眠ってしまった場合、必ず目薬で目を潤してから、手洗いのできる環境で外そう。
寝るような状態が起こることが分かっているなら、あらかじめつけないことがベストだ。